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中国EC市場のいまを読む― 実需とスピードが動かす“現場型”デジタル商圏とは ―

はじめに

世界最大のEC市場、中国の「今」をどう捉えるか

中国のEC市場はすでに国内流通の中心軸となり、商売のやり方を根本から変えています。
2023年には取引総額が15兆元(約300兆円)を超え、今やECが生活インフラの一部になったと言っても過言ではありません。

この市場の特徴は、単なるネット販売の枠を超え、スピード・演出・共感・体験がそろった“デジタル上の商圏”として進化している点にあります。
本稿では、中国のECプラットフォームがどう動いているのか、そこにどう乗っていくか―日本企業や商社が中国市場に向けて戦略を考えるうえで、押さえておきたいポイントを整理します。

1.もはや「商品を探す場」ではないEC

日本の多くの企業がECと言うと、「商品を検索して買うサイト」というイメージを持っています。
しかし今の中国ECは、検索型ではなく、“出会い型”の購買体験へと大きく変わっています。

淘宝(タオバオ)や京東(JDcom)はもちろん、抖音(TikTokの中国版)や小紅書(RED)といったSNS系プラットフォームでは、消費者は最初から「買うつもり」で来ているわけではありません。動画を見ていたら気になる商品が目に入り、そこで買ってしまう―こうした流れが日常的です。

つまり、「お客が来る」のを待つのではなく、「どの場面で、どう目に入るか」まで設計する必要がある。それが、今の中国ECです。

2.プラットフォームごとの「商売の文脈」を理解する

中国には複数の主要ECプラットフォームがありますが、それぞれにまったく違う“売れ方の文脈”があります。

たとえば淘宝や京東は、公式ブランドの旗艦店が並び、都市部の中間層以上が多く利用します。品質・安心感を前面に出す商品が好まれ、レビューやアフター対応も重視されます。

一方、拼多多(ピンドゥオドゥオ)は、安さと共同購入の仕組みで地方や農村部で急成長したサービス。ここでは「安くてそこそこ使える」商品が強いです。

抖音や小紅書は、SNS+動画+ECというスタイル。ここでは「体験」と「見せ方」がすべてです。インフルエンサーが実際に使っている姿を見て「私も使いたい」と思わせることが鍵になります。

商社が代理・調達を進める際は、このように「どこに売るか」だけでなく「どこでどう見せるか」まで含めた販売設計が必要です。